ダリ劇場美術館!ダリとガラの愛を感じる聖地へ
シュルレアリスムの代名詞といえる芸術家、サルバドール・ダリ。
ダリの生まれ育ったスペインのフィゲラスという街に、彼の作品を小さなものから超特大なものまで膨大に展示している、まさに聖地というべき美術館があります。
建物自体も彼のこだわりとユーモアが満載の作品であるため、ダリやアートが大好きな私にとってこの場所は、今回のバルセロナ旅行での大きな目的のひとつでした。
印象的だったところと感想をレポします◎
まずは正面玄関上部で、潜水服を着たダリがお出迎え。すでに何かがおかしい。
入場するとすぐに中庭に出られます。
円形の中庭の中央に、ダリ私物のキャデラックが。
車内にはびしょ濡れのマネキンがいます。
自分の車まで作品にしてしまうダリ。あきれる。
中庭を通った先には、メインの大きなホールがあります。
とりわけ大きな絵は、舞台の背景として使うために描かれたもの。
吹き抜けの天井近くまである大きさ!
そして注目すべきは床の一部、長方形の白い石がはめ込まれているところ。
実はこの下に、サルバドール・ダリの亡骸が眠っている、という説があります。
自身の芸術の集大成として作り上げた作品であるこの美術館の中で、アーティスト本人も作品の一部になっているというドラマティックな空間なのです。
私がどうしてもこの場所を訪れたいという強い気持ちになったのも、彼がここに居ることを知って、会いに行きたいと思ったことが大きい。
尊敬する憧れのダリが眠っているお墓の前に立ったとき、私の中で、ダリは、今まで以上に特別な存在となりました。
(しかしこの石がお墓だと認識しているお客さんは少ないようで、みんなふつうにこの上を歩いて踏んでました。笑)
建物内部は3階まであるので、見どころは他にもたっぷり。
部屋のひとつがまるごと作品になっている、メイ・ウエストの部屋。
くちびるソファー、鼻の暖炉、壁の絵画で巨大な顔になっています。
メイ・ウエストの部屋の壁の裏は、ジャングルみたいなベッドルームになっています。
顔の部屋とのギャップがハンパない。
でも個人的にこのちょっとダークな雰囲気はすごく好き。いい夢みられそう◎
メインホールわきの天井。"劇場美術館"というだけあって、物語を感じさせるオブジェがそこかしこにあります。
シャンデリアもかっこいい!
ミロのビーナスに引き出しがいっぱい。
乳首が取っ手になってるのが気になってしょうがない。
階段で2階に移動すると、入口がおぞましい顔になっている。
目と鼻はバラバラにした人形です。前髪はとうもろこし。
ダリの頭の中は一体どうなっているの?わけがわからない。
とにかくあちこち普通の建物ではない!
階段の下には不気味な鳥人間もいます。リアルでこわい。
絵画の他、小さな作品もあります。
モナリザにヒゲを落書き。
そしてさらに圧巻なのが、このゴージャスな内装の部屋。
神々しい天井画があります!
この絵の端に、肩を寄せ合うダリとガラを見つけました。
美術館の中には、ダリの妻であるガラの肖像画や、ガラが描きこまれている絵画がいくつもあります。
そして多くの作品に、"Gala Salvador Dalí"とサインが入っています。
この美術館でダリの作品をまとめて鑑賞して最も強く感じたことは、意外にも、ダリのガラへの愛の大きさでした。
ダリといえばぐにゃぐにゃになった時計のイメージがあるから、変わったもの・おかしなものといったイメージを持っていたのだけれど、実はそれはひとつの要素でしかなく、彼の作品の芯の部分には一途な愛があるのだと新しい考え方を持つことができました。
(これは美術館の中でいちばん気に入った絵です。2人の関係性が素敵!)
ちょっとどころかかなり変で、でもまっすぐなダリを深く知って、ますます彼のことが大好きになりました◎
聖地のパワーは、すごい!
- 作者: キャサリン・イングラム,アンドリュー・レイ,【監訳】岩崎亜矢,【翻訳】小俣鐘子
- 出版社/メーカー: パイインターナショナル
- 発売日: 2014/06/20
- メディア: 単行本
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ダリ劇場美術館に行くにあたって、予習として読んだ本。
彼の生い立ちや、作品に繰り返し登場するモチーフの意味、ガラとの関係などがイラスト付きでまとめられています。
これからフィゲラスへ行くけど美術史の知識があまりないという人は、こういうのを読んでいくとより楽しめると思います。